REST は難しい、だからこそ面白い
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知り合いに教えてもらって知ったのだが、今月の日経ソフトウエアは Web プログラミングの特集である。 ちょっと立ち読みしたところ、内容は Web 2.0 まわりの記事だった。 その特集の中の囲み記事で REST と僕の名前が出てくるところがある。 「わかりづらい REST という言葉」というタイトルで、 REST がアーキテクチャスタイルであること、 一方で REST API は「ホームページ」のような誤用であるが、そちらの方が一般的になってしまっていること、 が簡単に記述されていた。
REST == HTTP GET+XML のような紹介よりも1万倍よかったし、 何よりこういう初心者向けのメジャー(?)な雑誌記事で REST に言及するよ うになって、本当によかったと思う。1年前には考えられなかったことだ。
ただ、気になったのは REST が難しくてわかりづらい、という話だ。
そりゃ確かに REST は難しい。RoyF の論文を読みこなすには相当知識が必用だし、僕の REST 入門もやっぱり難しいと思います。コンテキストを共有していないと。 僕自身、SOAP で Web サービスを一通りやって、その長所短所がわかってからやっと、REST の良さを認識できた。
でも一方で本当に難しいのかな、とも思う。 いや、なんというか、「難しさの質」の問題とでもいうか。 たとえば XML Schema の複雑怪奇でどこから手をつけていいのかわからないような難しさ、あるいは BK 的な奥が深い難しさ、とは性格が違うんじゃないだろうか。
そしてさらに思うのは、そういう難しさの質が違うものに対して、単に難しくてわかりづらいから、楽でわかりやすい方に流れるというのは技術者としてどうなんだろう、ということ。 難しくてもシンプルだったり、美しかったり、論理的に納得させてくれたりするものの方が、 複雑なものを上辺だけ楽そうに見えるカワを被せて隠蔽しているものよりも ずっと本質的で面白いのではないだろうか。
REST は難しい。でも、ただそれだけの理由で REST がバズワード化して誤解されてしまうのはなんだか悲しい。