たとえば このファイル をダウンロードして、デスクトップに保存してみてほしい。 Windows を使っている人なら、アンテナのアイコンが現われるはずだ。
ためしにダブルクリックしてみよう。 あやしげなダイアログボックスが表示されるだろう(キャンセルしといてね)。
右クリックしてみよう。 いっぱいメニューが出てくるはずだ。
エディタで開いてみよう(「右クリック→編集」でもよい)。 タグ名が大文字の見なれない XML ファイルである。
これは XML の創世記に話題となった Channel Definition Format (CDF) だ。
覚えていない人、あるいはそもそも知らない人のために解説すると、 CDF は XML の最初のアプリケーションとして 1997-1998年当時に大変注目されていた技術である。 タグ名が大文字なのも、当時としては普通のことだった(あのころ僕たちは HTML のタグを大文字で書いていた)。 村田さんの「XML 入門」(この本が書かれたのは'97年で XML の勧告化前)でも、 XML の応用例として最初に CDF が登場している。
この CDF はプッシュ型 Web キャスティングのために開発された規格である。 プッシュ型 Web キャスティングというのは、 ユーザが Web ページをいちいちチェックしなくても、 CDF 対応クライアントが CDF ファイルを定期的にチェックして、 更新があったときだけ通知してくれる機能のことだ。
鋭い人ならもう気付いている思うが、 この機能は現在我々が RSS でやっていることと、基本的には全く同じなのである。
当時、現在の RSS リーダーはまだ一つもなかった。 ではいったい何で CDF を受信していたのか。 それは PointCast (あー懐しい)や Windows の ActiveDesktop あるいは IE 4.0 などだ。 PointCast はもうとっくに廃れているけれど、 Windows や IE はまだ現役なので、 我々のデスクトップにアンテナアイコンを表示してくれるのだ。
(hr タグを使うのも久しぶりだなあ…)
さて、なんで今さら CDF の話をしたのかというと、 naoya さんのこの記事を読んだからだ。 いわく、一度はキャズムを越えられなかった RSS が、 blog という最良の伴侶を見つけてキャズムを越え爆発的に普及した、ということである。
技術的にはそんなに違わないのに CDF はキャズムを越えられなかった。 当時でも CDF を理解して PointCast を使っていたのはギークだけだろう。 それ以外の何万(もっとかな)のユーザは CDF なんて知らずに PointCast で天気予報と朝日新聞を見ていたのだ。 でも CDF は死んだ。
RSS も粘って粘ってやっとキャズム越えた。 blog ツールによりすべての人々が RSS を提供できる仕組みができたからだろうか。僕にはわからない。
コンセプト/アイデアはいいのに死んでいった技術の中にも、 復活するものがあるのかもしれない。 ただし、復活させるには駄目になったときとは違うグループがやる必用がある。 たぶん。
冒頭の CDF は Sam Ruby さんのものです。
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